屋根工事・屋根修理は、外装工事のなかでも施主の警戒心が特に強い分野です。「近所で工事をしていたら、お宅の瓦がずれているのが見えた」という訪問は、いまや点検商法の典型として広く知られるようになりました。
その結果、まじめに仕事をしている屋根業者までが、最初から疑いの目で見られます。この記事では、ホームページで何をどう見せれば「あの手の業者とは違う」と伝わるのかを整理します。外壁塗装まわりの制作費用は外壁塗装のホームページ制作費用、集客全体の組み立ては外壁塗装の集客もあわせてご覧ください。
屋根の点検商法は、数字で見ても増えている
国民生活センターによると、屋根工事の点検商法に関する相談件数は、2018年度の923件から2022年度には2,885件へ、約3倍に増えています。点検商法の相談全体に占める屋根工事の割合も、同じ期間に16.2%から35.4%まで上がりました。契約した人の8割超は60歳以上です。
屋根に限らない点検商法全体の相談件数も、2023年度12,550件、2024年度19,249件、2025年度19,696件と高い水準が続いています(2026年5月31日時点・消費生活センター等からの経由相談を除く)。
加えて、「保険金を使えば自己負担なく修理できる」と勧誘する住宅修理サービスのトラブルについても、国民生活センターは繰り返し注意喚起を出しています。
つまり、施主はホームページを見る前から「屋根業者=要注意」という前提を持っていると考えたほうが現実的です。
施主が警戒している「典型パターン」を知っておく
国民生活センターが公表している相談事例には、次のようなパターンが繰り返し出てきます。
- 突然訪問してきて「近所で工事をしている」「瓦がずれているのが見えた」と言う
- 屋根の上で撮ったという写真を見せて、その場で工事の契約を迫る
- 「今日なら割り引く」と決断を急がせる
- 「火災保険を使えば自己負担なく直せる」と勧める
ホームページで信頼を得る近道は、この逆をはっきり書くことです。自分から訪問営業をしていないなら、そう書く。点検の写真は施主と一緒に確認するなら、そう書く。見積もりのあとで断っても構わないなら、そう書く。施主が一番不安に思っていることを、先回りして消していくイメージです。
載せるべき情報①:会社が実在することの証明
屋根業者のサイトで最初に見られるのは、施工事例よりも「この会社は本当にあるのか」です。
- 所在地(番地まで)
- 代表者名
- 固定電話を含む連絡先
- 創業年・設立年
- 事務所や作業車、スタッフの写真
訪問してきた業者の名刺を見て、あとから検索する施主は少なくありません。そのとき所在地が市区町村までしか書かれていなかったり、代表者の顔が見えなかったりすると、それだけで不安が残ります。
載せるべき情報②:許可・資格・保険
建設業許可
建設業の許可は、工事の種類ごとに受ける仕組みで、屋根工事業もそのひとつです。許可を持っているなら、「◯◯県知事許可(般-◯)第◯◯◯◯◯号」のように、許可番号と業種まで載せてください。検証できる客観的な事実なので、書いてあるだけで信頼度が変わります。
なお、建築一式工事以外の工事で、1件の請負代金が税込500万円未満の「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、許可がなくても営業できます。許可がないこと自体は問題ではありません。ただし、持っていない許可を持っているかのように書くのは絶対に避けてください。 金額の判定には材料費や分割契約の合算など細かいルールがあるため、最新の要件は国土交通省または都道府県の建設業担当窓口で確認してください。
技能士などの資格
かわらぶき技能士や建築板金技能士など、国家検定である技能士の資格は、事実として書ける強い信頼材料です。取得者の名前と等級まで書けると、なお伝わります。
保険
請負業者賠償責任保険などの加入状況、リフォーム瑕疵保険の登録事業者であればその旨も載せてください。「万が一のときにどうなるか」は、施主が口に出しにくい不安の代表です。
載せるべき情報③:点検と見積もりの方針
屋根は、施主が自分の目で状態を確かめにくい場所です。だからこそ点検商法が成り立ってしまいます。点検と見積もりの進め方を、自分たちのルールとして明文化することが、この業種では最も効きます。
書いておきたい項目の例です(実態に合うものだけを書いてください)。
- 依頼のない訪問営業は行っていないこと
- 屋根に上がる前に、何を確認するのかを説明すること
- 撮影した写真は、その場で施主と一緒に確認すること
- 見積書は「一式」でまとめず、工事項目ごとに内訳を出すこと
- 見積もりのあとに断っても費用はかからないこと
- 「今日中に決めてください」とは言わないこと
見積もりについては、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談窓口「住まいるダイヤル」が、リフォームの見積書について無料で相談を受け付けています。「他社さんの見積もりや第三者のチェックと比べていただいて構いません」と書ける業者は、それだけで印象が変わります。
火災保険について書くときの注意
台風や雪の被害で屋根を直す場面では、火災保険の話が避けて通れません。ただし、ここは書き方を誤ると、悪質業者と同じに見えてしまう部分です。
- 「保険を使えば無料」「自己負担ゼロ」と断言しない(保険金が出るかどうか、いくら出るかを決めるのは保険会社です)
- 保険金の請求は契約者ご本人が行うものであり、まず加入先の保険会社や代理店に相談するよう案内する
- 被害と関係のない劣化を災害のせいにして請求することは、絶対に勧めない
国民生活センターも、保険金が使えると勧誘されてもすぐに契約せず、まず保険会社に相談するよう呼びかけています。「保険会社への相談を先にしてください」と書いてある屋根業者は、信頼される側に立てます。 被害写真の撮影や見積書の作成など、自社が手伝えることは、手伝える範囲として具体的に書いてください。
載せるべき情報④:施工事例
屋根の施工事例は、ほかの外装工事以上に「写真の説明」が大切です。施主は屋根の上を見たことがなく、何が悪くて何を直したのかが写真だけでは分からないからです。
1件の事例に添えたい情報です。
- 建物の種別と築年数
- 屋根材の種類と、施工前の状態(どこがどう傷んでいたか)
- 工事の内容(部分補修、葺き替え、カバー工法、塗装、雨どい交換など)
- 使用した材料の製品名
- 工期と費用(可能な範囲で)
- エリア(市区町村まで)
施工前・施工中・施工後の写真を同じ位置から撮り、それぞれに一言ずつ説明をつけてください。施工中の写真は「手抜きをしていない証明」になります。完成すると見えなくなる下地や防水紙の状態を見せられるのは、実際に工事をした業者だけです。
掲載には施主の許可が必要です。契約時か引き渡し時に書面で確認し、表札や車のナンバーが写らないよう注意してください。
載せるべき情報⑤:費用の目安
「無料点検・無料見積もり」だけが大きく書かれたページは、価格を知りたい人には不親切ですし、点検商法の広告と見分けがつきません。
屋根の工事費用は、面積・屋根材・勾配・足場の有無で大きく変わります。それでも、「◯◯㎡程度の部分補修で◯万円〜」「足場代は別途◯万円前後」のように、条件つきの目安を出してください。金額の前提条件を書いておけば、「実際の見積もりは現地確認後」と添えても不誠実にはなりません。
広告表現で避けたいこと
景品表示法は業種を問わずかかります。屋根業者のサイトで特に注意したいのは次の表現です。
- 根拠のない「地域最安値」「施工実績No.1」
- 「絶対に雨漏りしません」「一生メンテナンス不要」などの言い切り
- 実際にその価格で販売した実績のない「通常価格◯万円→今だけ◯万円」
- 「今すぐ直さないと大変なことになります」といった不安をあおる表現
耐久性を書くなら、メーカーの公称値を出典つきで引用するか、自社の保証年数として書くのが安全です。
また、営業所以外の場所で契約を結ぶなど、特定商取引法上の訪問販売に該当する場合は、契約書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフなどの規定がかかります。訪問での見積もり・契約に対応しているなら、ホームページでもクーリング・オフに触れておくと、隠していないこと自体が誠実さの証明になります。個人事業主の表示義務全般は法的表記のまとめも参考にしてください。
制作会社を選ぶときに確認したいこと
屋根業者のホームページは、見た目が整っているだけでは足りません。ここまで見てきたように、許可・点検方針・保険の説明・施工事例の説明文といった「信頼の材料」をどこに、どの順番で並べるかで成果が変わります。
制作会社に相談するときは、次の点を確認してください。
- 点検商法の問題や、屋根業界が警戒されている事情を理解しているか
- 許可番号や保険などの情報を、どこに配置する想定か
- 施工事例を、写真の説明つきで更新していける仕組みか
- 契約する前に、完成イメージ(少なくともトップページのデザイン案)を見せてもらえるか
最後の点は意外と見落とされがちです。完成形を見ないまま契約して、できあがってから「思っていたのと違う」となるのは、依頼する側にとって最も大きなリスクです。問い合わせが来ないサイトの点検は12項目セルフチェックも参考になります。
費用の目安は、30秒でできる見積もりシミュレーターで確かめられます。
まとめ|警戒されている手口の「逆」を書く
- 屋根工事の点検商法の相談は2018年度から2022年度で約3倍に増え、施主は最初から警戒している
- 所在地・代表者・許可番号・資格・保険で、会社が実在し信頼できることを示す
- 訪問営業をしない、写真は一緒に確認する、断っても費用はかからないなど、点検と見積もりの方針を明文化する
- 火災保険は「無料」と断言せず、まず保険会社へ相談するよう案内する
- 施工事例は施工中の写真と説明文で「手抜きをしていない証明」にする
- 費用は条件つきでも目安を出す
まる製作所では、屋根・外装を含む地域の事業者さまのホームページを制作しています。許可や点検方針、施工事例の並べ方まで含めて構成を設計し、ご契約の前にトップページのデザイン案をご確認いただけます。 完成イメージを見てから、依頼するかどうかを判断してください。料金の目安はお見積りシミュレーター、近い業種の制作例は塗装業向けの制作ページからご覧いただけます。
よくある質問
- Q. 屋根業者のホームページで一番大事なことは何ですか?
- A. 施主が警戒している点検商法の手口の「逆」を示すことです。依頼のない訪問営業をしない、点検写真は一緒に確認する、見積もり後に断っても費用はかからない、といった方針を明文化すると、信頼につながります。
- Q. 建設業許可がなくてもホームページに書けることはありますか?
- A. あります。建築一式工事以外で1件税込500万円未満の軽微な工事だけを請け負う場合は、許可がなくても営業できます。その場合は、技能士の資格、保険の加入状況、施工事例などで信頼を示してください。持っていない許可を持っているように書くのは避けてください。
- Q. 「火災保険で修理できます」とホームページに書いてもよいですか?
- A. 「無料」「自己負担ゼロ」と断言するのは避けてください。保険金の支払いを決めるのは保険会社で、請求は契約者ご本人が行うものです。まず加入先の保険会社に相談するよう案内したうえで、自社が手伝える範囲を具体的に書く形が安全です。
- Q. 施工事例にはどんな写真を載せればよいですか?
- A. 施工前・施工中・施工後を同じ位置から撮った写真に、傷んでいた箇所と工事内容の説明を添えてください。完成後は見えなくなる下地や防水紙の写真は、手抜きをしていない証明になります。掲載には施主の書面での許可が必要です。
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参考資料
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