トイレが詰まった、蛇口から水が止まらない。水まわりのトラブルは突然起こり、依頼する人は急いでいます。その「急ぎ」につけ込むように、ネット広告で「〇〇円〜」と低い料金を掲げ、現場で高額な作業を次々に提案する業者のトラブルが、消費者庁や国民生活センターから繰り返し注意喚起されてきました。
その結果、地域で長く誠実にやってきた水道屋さんまで、「ネットで見つけた水道業者=危ないかもしれない」という目で見られるようになっています。
この記事では、水道・水まわり修理業者のホームページで、悪質な業者とはっきり区別されるために何を、どう載せればよいかを整理します。
何が問題になっているのか
国民生活センターは、トイレ修理や水漏れ修理、鍵の修理、害虫駆除など、事業者が自宅に来て対処するサービスを「暮らしのレスキューサービス」と呼び、相談の増加を注意喚起してきました。相談件数は2016年度の2,437件から2020年度には5,882件に増え、そのうちインターネット広告が関わる相談の割合は、同じ期間に19.2%から41.1%へ上がっています。
公表された相談事例には、トイレ修理で「料金390円から」という広告を見て依頼したところ、高圧ポンプ、便器の脱着、配管の作業、再発防止の清掃と次々に作業を提案され、最終的に約55万円の契約書を渡された、というものがあります。
消費者庁も2025年7月、ウェブサイトで低額な料金を表示しながら実際には高額な料金を請求していた水回りトラブル対応業者について、消費者安全法に基づいて事業者名を公表し、注意を呼びかけています。
水まわり修理を探す人は、こうしたニュースを見聞きしたうえでホームページを開いています。 まずこの前提に立つことが、ホームページ設計の出発点になります。
実は、地域の水道屋さんにとっては追い風でもある
国民生活センターは、消費者へのアドバイスとして、インターネット広告の金額表示をうのみにしないこと、そして地元の工務店や自治体の管工事組合など、信頼のおける事業者をあらかじめ探しておくことを挙げています。
つまり、公的機関が「地元の信頼できる業者を選びましょう」と呼びかけているわけです。地域に根ざして営業している水道屋さんは、この呼びかけの受け皿になれる立場にあります。
ただし、それはホームページで「地元で実在する、信頼できる業者だ」と確認できる場合に限られます。広告の安さでは戦わず、確認できる事実の多さで選ばれる。これが、この業種のホームページの基本方針です。
料金表示:「〇〇円〜」ではなく「総額が読める」表示に
問題になっている業者に共通するのは、ごく一部の作業にしか当てはまらない最低料金だけを大きく見せ、実際にかかる総額が分からない表示です。景品表示法では、実際よりも著しく有利だと誤認させる表示が禁じられています。
まじめな業者がやるべきことは、その逆です。
- 作業別の料金表を載せる(トイレのつまり、蛇口のパッキン交換、水栓の交換など、よくある作業ごと)
- 基本料金・出張費・夜間や休日の割増・部品代・キャンセル料を、それぞれ明記する
- 「〇〇円〜」と書くなら、どんな条件ならその金額で済み、どんな場合に上がるのかを同じ場所に書く
- よくある作業について「このケースだと総額でおよそ〇〇円」という例を載せる
ここは、ほかの業者のサイトと最も差がつく部分です。最低料金の数字を競うのではなく、「この業者なら、だいたいいくらになるか予想できる」と思ってもらうことが、急いでいる人の不安を一番消します。
作業の進め方を明文化する
高額請求のトラブルは、「現場で次々と作業を追加され、断りにくい空気の中で契約した」という形で起こっています。これを防ぐ業者であることを、ホームページで先に約束してください(実態に合うものだけを書いてください)。
- 作業の前に見積もりを出し、了承をいただいてから作業すること
- 作業中に追加が必要になった場合も、その都度、金額を示して確認をとること
- 見積もりの金額に納得できなければ、見積もりだけで断っても構わないこと(その場合に費用がかかるなら、いくらかかるかを明記)
- 「今すぐ決めないと大変なことになる」とは言わないこと
- 支払い方法(現金以外の手段が使えるか)
なお、特定商取引法では、消費者が自分で業者を呼んだ場合でも、チラシなどの表示額と実際の請求額に大きな開きがあるようなケースでは、訪問販売の規定の適用除外にあたらない(クーリング・オフなどの対象になり得る)という考え方が、消費者庁の特定商取引法ガイドで示されています。作業前見積もりと了承の手順を守っていること自体が、お客さまにとっても業者自身にとっても、トラブルを防ぐ仕組みになります。
指定工事店・資格・許可の書き方
水道業者にとって、最も強い信頼材料は公的な指定と資格です。
指定給水装置工事事業者
水道管から分かれて各家庭につながる給水装置の工事は、各水道事業者(市町村など)から指定を受けた「指定給水装置工事事業者」が行うことになっています。令和元年(2019年)10月の水道法改正で、この指定には5年ごとの更新制が導入されました。
指定を受けているなら、どの自治体(水道事業者)の指定かを必ず書いてください。「水道局指定店」とだけ書くのではなく、「〇〇市 指定給水装置工事事業者(指定番号〇〇〇)」のように具体的に書くほうが、確認できる情報として信頼されます。指定は、その区域で給水装置工事を行える事業者であることを示すもので、水道局が特定の業者を推薦するものではない点にも注意し、誤解を招く書き方は避けてください。
下水道の排水設備工事
排水設備の工事についても、多くの自治体が独自の指定工事店制度を設けています(名称は自治体により異なります)。指定を受けていれば、あわせて記載してください。
資格と許可
給水装置工事主任技術者などの資格、管工事業の建設業許可を持っている場合は、許可番号まで載せてください。持っていない指定や許可を持っているように見せる書き方は、絶対に避けてください。
会社情報と「地元にいる」ことの証明
国民生活センターの報告書では、インターネットで広告を出している業者と、実際に作業に来る業者が別だったというケースも多く見られたとされています。依頼する人は「電話した相手が、本当にこの地域の業者なのか」を気にしています。
- 所在地(番地まで)と、店舗・事務所の外観写真
- 代表者名と顔写真
- 固定電話の番号
- 創業年と、地域での営業年数
- 作業に伺うスタッフの写真(誰が来るのかが分かると安心されます)
- 対応エリアを市区町村単位で明記し、地図を添える
「〇〇市で〇年」という一言は、ネット広告だけの業者には書けない情報です。
スマホの最初の1画面で、勝負が決まる
水まわりのトラブルで業者を探す人は、ほとんどがスマートフォンから、しかも急いで検索しています。ページを上から下まで読む余裕はありません。スマホで開いた最初の1画面に何が見えるかで、電話をかけるか、次の業者に移るかが決まります。
最初の1画面に入れたいもの:
- タップするとそのまま発信できる電話ボタン
- 受付時間(夜間・休日の対応可否)
- 対応エリア
- 料金表への入り口(「料金の目安はこちら」)
- 指定工事店であることの表示
これを詰め込みすぎると、今度は読みにくくなります。何を大きく、何を小さく見せるかのバランスは、文章で説明されても判断しにくい部分です。実際にスマホでデザイン案を見て確かめるのが、一番確実な方法です。
費用の目安は、30秒でできる見積もりシミュレーターで確かめられます。
施工事例とお客さまの声
水まわりの修理は、完了すると何をしたのかが見えにくい仕事です。作業前・作業中・作業後の写真と、次の情報を添えた事例は、料金表と並ぶ信頼材料になります。
- 症状(何が起きていたか)
- 原因と、行った作業の内容
- 交換した部品の製品名
- 作業時間と費用
- エリア(市区町村まで)
お客さまの声を載せる場合は、本人の許可を取ってください。また、作り話や、効果を保証すると読める内容は景品表示法上の問題になり得ます。
夜間・緊急対応の書き方
「24時間365日対応」と書くなら、実際に対応できる体制があることが前提です。対応できる時間帯が限られるなら、正直に書いてください。夜間や休日に割増料金がかかるなら、その金額も明記してください。
あわせて、業者が到着するまでにお客さま自身でできる応急処置(止水栓や元栓の閉め方など)を載せておくと、急いでいる人の役に立ち、「この業者は親切だ」という印象につながります。国民生活センターも、トラブルが起こったときの初期対応をあらかじめ調べておくよう呼びかけています。
地図検索への対応も忘れない
「(地域名) 水道修理」「近くの水道屋」と検索したとき、多くの人は地図の検索結果から選びます。Googleビジネスプロフィールに登録し、営業時間・電話番号・ホームページのアドレスを正しく設定しておいてください。登録の手順はGoogleビジネスプロフィールの登録方法で解説しています。
制作会社を選ぶときに確認したいこと
- 低額広告からの高額請求トラブルという業界の事情を理解しているか
- 料金表を、作業別・条件つきで見やすく整理する提案ができるか
- スマホの最初の1画面の設計を、具体的に見せてもらえるか
- 料金改定や受付時間の変更に、すぐ対応してもらえるか
- 契約する前に、デザイン案を見て判断できるか
特に水道業者のサイトは、「電話ボタンが押しやすいか」「料金表が一目で分かるか」といった、実際に画面を見ないと判断できない要素で成果が決まります。問い合わせが増えないサイトの点検は12項目セルフチェック、事業者として載せるべき法的な表記は法的表記のまとめも参考にしてください。
まとめ|安さではなく「総額が読めること」で選ばれる
- 低額広告から高額請求に至るトラブルは、消費者庁・国民生活センターが繰り返し注意喚起している
- 公的機関は「地元の信頼できる業者を探しておく」よう呼びかけており、地域の水道屋さんには追い風
- 「〇〇円〜」ではなく、作業別の料金表・諸費用・総額の例で「総額が読める」表示にする
- 作業前見積もりと、追加作業の都度確認を明文化する
- 指定給水装置工事事業者は「どの自治体の指定か」まで書く
- スマホの最初の1画面に、電話ボタン・受付時間・エリア・料金表への入口・指定の表示を
まる製作所では、水道・設備業を含む地域の事業者さまのホームページを制作しています。料金表の整理から、スマホの最初の1画面の設計まで一緒に考え、ご契約の前にデザイン案をお見せします。 実際の画面を見て、「これなら電話してもらえそうか」を確かめてからご判断ください。業種ページは水道業者向け制作、料金の目安はお見積りシミュレーターからご確認いただけます。
よくある質問
- Q. 「〇〇円〜」という料金表示は使わないほうがよいですか?
- A. 最低料金だけを大きく見せて、実際の総額が分からない表示は避けてください。使う場合は、どんな条件ならその金額で済み、どんな場合に上がるのかを同じ場所に書き、出張費・夜間割増・部品代・キャンセル料も明記すると、信頼につながります。
- Q. 「水道局指定店」と書いてもよいですか?
- A. 指定を受けているなら書いて構いませんが、「〇〇市 指定給水装置工事事業者(指定番号〇〇〇)」のように、どの自治体の指定かを具体的に書くのがおすすめです。指定は水道局が特定の業者を推薦するものではないため、誤解を招く書き方は避けてください。
- Q. 作業前の見積もりについて、ホームページに何を書けばよいですか?
- A. 作業前に見積もりを出し了承を得てから作業すること、追加作業はその都度金額を示して確認すること、見積もりだけで断れること(費用がかかる場合はその金額)を、実態に合わせて明記してください。
- Q. スマホ表示で一番大事なことは何ですか?
- A. 最初の1画面に、タップで発信できる電話ボタン、受付時間、対応エリア、料金表への入口、指定工事店の表示が収まっていることです。バランスは文章だけでは判断しにくいため、デザイン案を実際のスマホ画面で確認するのが確実です。
FREE DESIGN PREVIEW
スマホの最初の1画面を、契約前にデザイン案で確認
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参考資料
制度やガイドラインは更新される場合があります。リンク先の最新情報もあわせてご確認ください。
