ホームページ制作を相談するとき、写真も文章も完璧にそろえる必要はありません。何があり、何がないかを最初に共有できれば、撮影、原稿作成、仮素材、公開後の追加など現実的な進め方を決められます。
一方、屋号、連絡先、サービス内容、料金など、事実確認を制作会社へ任せられない情報もあります。必須情報、あると強い素材、権利確認が必要な素材を分けて準備しましょう。
最初の相談に必要な基本情報
すべてを文章に整える必要はありません。メニュー表、チラシ、SNS、予約サイト、手書きメモなど、現在使っている資料を共有すれば、重複と不足を整理できます。
- 屋号・会社名・サービス名と、実際に使用している表記
- 電話番号、メール、LINE等の問い合わせ先
- 所在地、対応エリア、最寄り駅、駐車場などの案内
- 営業時間、定休日、予約・訪問対応の条件
- 提供するサービスと、対象となるお客さま
- 料金の目安、追加料金、支払方法、キャンセル条件
- 問い合わせから提供までの流れ
- 資格、許認可、保証など掲載する事実の確認資料
あると判断しやすくなる素材
| 素材 | 伝えられること | 用意するときの注意 |
|---|---|---|
| 店舗・事務所の写真 | 雰囲気、設備、入口、来店時の安心 | 明るさ、片付け、住所等の写り込み |
| 作業・施術・接客の写真 | 実際の流れ、担当者、仕事の様子 | 被写体の同意、資格・表現上のルール |
| 事例・実績 | 対応範囲、仕上がり、経験 | 顧客情報、掲載許可、数値の根拠 |
| 代表者・スタッフ紹介 | 誰が対応するか、考え方、経歴 | 実在情報と保有資格を正確に |
| お客さまの声 | 利用前後の疑問、選ばれた理由 | 掲載同意、編集範囲、広告規制 |
写真はスマートフォンでも準備できる
最新のスマートフォンなら、ウェブ掲載に十分な写真を撮れる場合が多くあります。日中の明るい時間に撮り、同じ種類の写真は向きと比率をそろえ、使う可能性がある写真を少し多めに残します。SNSから保存し直した低解像度画像ではなく、可能なら元データを共有してください。
- 外観、入口、受付、室内、設備、作業風景を一通り撮る
- 横長と縦長の両方を撮り、主役の周囲にトリミング余白を残す
- 逆光、暗い室内、強いフィルター、デジタルズームを避ける
- 住所、車のナンバー、顧客資料、パソコン画面の写り込みを確認する
- 人物が写る場合は、ウェブ掲載の目的と期間を伝えて同意を得る
写真・文章・ロゴの権利を確認する
インターネット上で見つけた写真や文章は、自由素材とは限りません。東京都中小企業振興公社の著作権マニュアルも、ホームページを構成する文章、写真、イラスト等を利用する際は、著作者の許諾が必要になると説明しています。
自分で撮った写真でも、顧客、スタッフ、通行人など他人の顔が写る場合は肖像への配慮が必要です。取引先ロゴ、メーカー画像、口コミ、施工前後写真も、利用条件と掲載許可を確認します。
- 撮影者は誰か、ウェブ・広告・SNSで利用できるか
- 写っている人から掲載同意を得ているか
- フリー素材の商用利用、加工、クレジット表記の条件を守れるか
- ロゴや商品画像をメーカー・取引先の規約に沿って使えるか
- 制作会社が作る文章・画像・デザインの納品範囲と再利用条件は何か
「検索で出てきた」「SNSに公開されている」「AIで作った」だけでは、事業サイトで自由に使える根拠になりません。
文章は10の質問に答えて準備する
箇条書きや話し言葉で構いません。制作会社が文章を整えた後、料金、資格、数値、対応範囲などの事実を依頼者自身が最終確認します。
- 1どのような人の、どのような困りごとに対応しますか
- 2提供するサービスと、対応できないことは何ですか
- 3他店・他社と比べられたとき、事実として言える違いは何ですか
- 4相談から提供、支払い、アフター対応までの流れは何ですか
- 5料金の目安と、追加料金が発生する条件は何ですか
- 6初めての方が依頼前に不安に思うことは何ですか
- 7掲載できる資格、経験年数、実績、保証はありますか
- 8担当者がこの仕事を始めた理由と、大切にしていることは何ですか
- 9対応地域、時間、予約、キャンセル等の条件は何ですか
- 10実際によく聞かれる質問と回答を5〜10個挙げられますか
費用の目安は、30秒でできる見積もりシミュレーターで確かめられます。
ドメインと各種アカウントは事業者が管理する
独自ドメインは、ホームページやメールの継続に関わる重要な事業資産です。制作会社へ手続きを依頼する場合も、登録者情報、契約アカウント、更新費の支払方法、認証コードの取得方法を確認してください。
JPドメイン名では、登録者は管理する指定事業者を変更できます。制作会社を変えたときに移管できる状態を保つため、登録メールアドレスを自社で受信できるものにし、管理画面と二要素認証の復旧方法を整理します。
- ドメインの登録者が自社・本人になっている
- 契約サービスの管理画面へ自社でもログインできる
- 登録メールアドレスと支払方法を退職者・制作会社だけに依存しない
- ドメイン、サーバー、メール、解析、Googleビジネスプロフィールの担当者を記録する
- パスワードをチャットやメールへ平文で残さず、パスワード管理ツール等で共有する
素材がない場合の進め方
写真がない場合は、公開前に最低限の実写を撮る、仮素材で構成だけ確認する、撮影や画像制作を依頼する方法があります。実在の店舗・人物・実績と誤認される見せ方は避け、イメージ画像ならその役割が分かるようにします。
文章がない場合は、ヒアリングや質問シートから原稿を作れます。ロゴがない場合も、まず文字の屋号で公開し、後からロゴへ差し替える方法があります。足りないものを理由に制作全体を止めず、公開に必須か、後から追加できるかを分けます。
よくある質問
- Q. 写真が1枚もなくても相談できますか?
- A. 相談できます。必要な写真の撮影リストを先に作り、スマートフォン撮影、撮影依頼、適切な素材の利用、公開後の追加から現実的な方法を選びます。
- Q. 文章は制作会社にすべて任せられますか?
- A. 文章の構成・執筆は依頼できますが、料金、資格、サービス内容、対応範囲等の事実は事業者の確認が必要です。ヒアリングへ答え、完成原稿を公開前に確認してください。
- Q. SNSの写真をそのまま使えますか?
- A. 自分で撮影し、被写体の同意や権利に問題がなければ利用できる場合があります。ただし、SNSから保存し直すと画質が落ちるため、元データを用意するのがおすすめです。
- Q. ドメイン取得も制作会社に任せてよいですか?
- A. 手続きを代行してもらうことはできますが、登録者、契約アカウント、更新費、移管方法を確認し、自社でも管理を継続できる状態にしてください。
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参考資料
制度やガイドラインは更新される場合があります。リンク先の最新情報もあわせてご確認ください。
