デイサービスの利用は、多くの場合、担当のケアマネジャーからの紹介を通じて決まります。そのため「ホームページはなくても困らない」と考えている事業所も少なくありません。
ところが令和6年度の介護報酬改定で、介護サービス事業所は運営規程の概要などの重要事項を、原則としてウェブサイトに掲載・公表することが義務になりました。そしてご家族は、ケアマネジャーから名前を聞いた事業所を、あとから必ず検索します。
この記事では、介護事業所、なかでもデイサービス(通所介護・地域密着型通所介護)のホームページについて、義務として載せるべきものと、選ばれるために載せたいものを分けて整理します。
重要事項のウェブ掲載が、原則として義務になった
これまで介護事業所の運営規程の概要などの重要事項は、事業所内に書面で掲示する(または閲覧できるファイルを備え付ける)ことが求められていました。令和6年度の介護報酬改定では、インターネット上で情報の閲覧が完結するよう、この書面掲示に加えて、原則として重要事項をウェブサイトに掲載・公表することが義務付けられました。1年の経過措置を経て、令和7年(2025年)4月から義務化されています。
ここでいう「ウェブサイト」は、法人のホームページ等か、厚生労働省の介護サービス情報公表システムのどちらかです。つまり、自社のホームページがなくても、情報公表システム上に掲載すれば義務は満たせます。
なお、介護サービス情報公表制度の報告義務の対象ではない事業所(報告計画の基準日前1年間に受け取った介護サービスの対価が100万円以下の事業所など)については、ウェブサイトへの掲載は望ましいものの義務ではない、という扱いがされています。新規に指定を受けた事業所は報告の対象になります。自事業所がどちらに当たるかは、指定を受けた都道府県・市区町村の担当窓口で確認してください。
情報公表システムだけで足りるのか
義務を果たすだけなら、情報公表システムへの掲載で足ります。ただし、情報公表システムは全国の事業所の情報を同じ形式で並べる場所です。事業所ごとの雰囲気や、スタッフの人柄、1日の過ごし方の違いは伝わりにくいのが実情です。
自社のホームページに重要事項を掲載する場合は、それが公表の場になります。どちらの方法を取るにしても、次に説明する「誰が、何を知りたくて見に来るのか」を考えると、ホームページを持つ意味がはっきりします。
デイサービスのホームページを見に来る3種類の人
デイサービスのホームページには、立場の違う3種類の人が訪れます。
① ご家族
ケアマネジャーから候補の事業所を聞いたあと、「どんなところなのか」を自分の目で確かめたい人です。利用者本人より、離れて暮らす子ども世代が検索していることもよくあります。
② ケアマネジャー
利用者の状態に合った事業所を探している専門職です。居宅介護支援の運営基準では、ケアマネジャーは利用者に対して、複数の事業所の紹介を求めることができることなどを説明しなければならないとされています。つまり、ご家族が「ほかの事業所も見てみたい」と言うのは制度上も想定された行動であり、比べられる前提で情報を出しておく必要があります。
③ 求職者
介護職の採用は、多くの事業所にとって最大の課題のひとつです。求人サイトを見た人も、応募する前に事業所名で検索します。
この3者は、知りたいことがまったく違います。1ページにすべてを詰め込むより、それぞれの入口を用意するほうが伝わります。
ご家族向けに載せたい情報
ご家族が知りたいのは、「親をここに通わせて大丈夫か」です。
- 1日の流れ:送迎から帰宅まで、時間帯ごとに何をしているか
- 送迎:送迎できる範囲と、おおよその時間帯
- 入浴:入浴設備の種類と、介助の方法
- 食事・おやつ:内容の例と、刻み食などへの対応
- 機能訓練・レクリエーション:どんな活動をしているか(写真があると伝わります)
- 受け入れられる方の状態:認知症の方、車いすの方、医療的なケアが必要な方への対応可否
- 利用料金の目安:介護保険の自己負担(1〜3割)に加えて、食費などの実費がかかることを、例を挙げて分かりやすく
- 見学の受付方法:電話だけでなく、フォームやLINEでも申し込めると、日中に電話しにくいご家族が動きやすくなります
特に「受け入れられる方の状態」は、書いてある事業所が少ない一方で、ご家族もケアマネジャーも最初に確認したい項目です。
ケアマネジャー向けに載せたい情報
ケアマネジャーは、限られた時間で候補を絞り込みます。探しやすさを優先してください。
- 事業所番号とサービス種別(通所介護/地域密着型通所介護など)
- 営業日・提供時間
- 曜日ごとの空き状況(更新できる範囲で。古い情報を載せたままにするより、「空き状況はお問い合わせください」と書くほうが誠実です)
- 受け入れ可能な状態と、対応できないケース
- 連絡窓口と、担当者への連絡方法
なお、利用定員18人以下の小規模なデイサービスは「地域密着型通所介護」として市区町村が指定しており、原則としてその市区町村の住民が利用するサービスです。対象となる地域をホームページに明記しておくと、ご家族やケアマネジャーからの問い合わせの行き違いを防げます。
求職者向けに載せたい情報
求人サイトの掲載枠では、書ける内容に限りがあります。ホームページでは、次のような「働く場所としての姿」を伝えてください。
- 1日の仕事の流れ
- 職員の構成(職種や年代、勤続年数など、出せる範囲で)
- 休日・シフトの組み方、研修や資格取得の支援
- 職員の声や、働いている様子の写真(本人の同意を得たうえで)
応募を考えている人が知りたいのは、給与の数字だけではありません。「ここで働く自分」を想像できる材料があるかどうかで、応募の数は変わります。
写真と個人情報の扱い
デイサービスのホームページで最も気をつけたいのが、利用者の写真です。
介護事業所の運営基準では、職員が業務上知り得た利用者やご家族の秘密を漏らしてはならないと定められています。レクリエーションの様子などを載せる場合は、利用者ご本人(必要に応じてご家族)から、掲載範囲を明示したうえで書面で同意を得てください。 顔が分からない写真にする、後ろ姿や手元だけにするといった工夫も有効です。
職員の写真も同様に、本人の同意を得たうえで掲載してください。退職した職員の写真を残したままにしないよう、更新のルールも決めておくと安心です。
広告表現の注意点
介護事業所の運営基準には広告に関する規定があり、広告をする場合、その内容が虚偽または誇大なものであってはならないとされています。あわせて、景品表示法は業種を問わず適用されます。
避けたい表現の例です。
- 「必ず元気になります」「要介護度が改善します」などの効果の断定
- 根拠のない「地域No.1」「どこよりも手厚い」
- 医療行為と誤解されるような表現
代わりに書けるのは、事実として説明できることです。職員の資格、実施している活動の内容、1日の流れ、設備の写真。効果を約束するより、「ここで何をしているか」を具体的に見せるほうが、ご家族の判断材料になります。
公開したあとの更新も考えておく
デイサービスのホームページは、作って終わりにできない業種です。
- 介護報酬の改定などで利用料金が変わったときは、重要事項の掲載内容も更新が必要です
- 空き状況や行事の案内が古いままだと、かえって信頼を損ねます
- 職員の入れ替わりに合わせて、写真や紹介文を見直す必要があります
更新を誰が、どうやって行うのかを、制作を依頼する前に決めておいてください。
制作会社を選ぶときに確認したいこと
- 重要事項のウェブ掲載義務や、情報公表システムとの関係を理解しているか
- ご家族・ケアマネジャー・求職者という、立場の違う読み手を想定した構成を提案できるか
- 料金改定や空き状況などの更新に、どのくらいの期間と費用で対応してもらえるか
- 契約する前に、完成イメージ(少なくともトップページのデザイン案)を見せてもらえるか
介護事業所の方は、ホームページの制作に慣れていないことがほとんどです。仕上がりを見ないまま契約するのではなく、デザイン案を見て「ご家族が安心できる雰囲気か」「職員が見て働きたくなるか」を確かめてから判断するほうが、失敗がありません。問い合わせが来ないサイトの点検は12項目セルフチェック、地図検索への対応はGoogleビジネスプロフィールの登録方法も参考になります。
費用の目安は、30秒でできる見積もりシミュレーターで確かめられます。
まとめ|義務を満たしたうえで、3者それぞれの入口を
- 令和7年4月から、介護事業所は重要事項を原則としてウェブサイト(自社ホームページ等または情報公表システム)に掲載することが義務になった
- 義務は情報公表システムでも満たせるが、事業所の雰囲気や人柄を伝えるには自社のホームページが向いている
- ご家族には1日の流れ・送迎・入浴・受け入れ可能な状態・料金の目安を、ケアマネジャーには事業所番号・空き状況・対応範囲を、求職者には働く姿を
- 利用者の写真は書面で同意を得る。効果の断定や誇大な表現は避ける
- 料金改定や空き状況など、公開後の更新体制を先に決めておく
まる製作所では、介護事業所を含む地域の事業者さまのホームページを制作しています。重要事項の掲載ページから、ご家族・ケアマネジャー・求職者向けの導線まで含めて構成を設計し、ご契約の前にトップページのデザイン案をご確認いただけます。 業種ページは介護事業所向け制作、料金の目安はお見積りシミュレーターからご確認いただけます。
よくある質問
- Q. デイサービスはホームページを持つことが義務なのですか?
- A. ホームページそのものが義務なのではなく、運営規程の概要などの重要事項を、原則としてウェブサイトに掲載・公表することが義務です(令和7年4月から)。掲載先は法人のホームページ等か、介護サービス情報公表システムのどちらかです。
- Q. 情報公表システムに載せていれば、ホームページは不要ですか?
- A. 義務を満たすという意味では、情報公表システムへの掲載で足ります。ただし、事業所ごとの雰囲気や1日の過ごし方、職員の人柄はシステム上では伝わりにくいため、ご家族や求職者に選ばれるためには自社のホームページが役立ちます。
- Q. 利用者さんの写真を載せてもよいですか?
- A. 掲載範囲を明示したうえで、ご本人(必要に応じてご家族)から書面で同意を得てください。運営基準では、利用者やご家族の秘密を漏らしてはならないと定められています。顔が分からない写真にする工夫も有効です。
- Q. 「元気になります」「要介護度が改善します」と書いてもよいですか?
- A. 避けてください。運営基準では広告の内容が虚偽または誇大であってはならないとされ、景品表示法も適用されます。効果を約束するより、実施している活動や職員の資格など、事実として説明できることを具体的に書くほうが安全です。
FREE DESIGN PREVIEW
契約前に、トップページのデザイン案をご確認いただけます
重要事項の掲載から、ご家族・ケアマネ・求職者向けの導線まで設計し、ご契約前にトップページのデザイン案を無料でお見せします。ご覧になってからお断りいただいても費用はかかりません。まずは無料相談(LINE)からどうぞ。
契約前に、トップページのデザイン案(PC・スマホ)を無料でお見せします。ご覧になってからお断りいただいても費用はかかりません。
参考資料
制度やガイドラインは更新される場合があります。リンク先の最新情報もあわせてご確認ください。
